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■新稲作研究会講演会

27年度 26年度 25年度 24年度 23年度 22年度 21年度 20年度

平成27年度 新稲作研究会 講演会内容

日 時 :平成28年3月3日(木)10:15〜12:00
場 所 :メルパルク東京

演題1農業自動化・ロボット化の現状と展望
講演者:野口  伸 氏 北海道大学農学部大学院農学研究院教授

演題2需要に応じた米生産の推進について
講演者:小口  悠 氏 農林水産省政策統括官付穀物課課長補佐


平成26年度 新稲作研究会 講演会内容

日 時 :平成27年3月5日(木)10:15〜12:00
場 所 :メルパルク東京

演題1最近のロボット技術等の研究開発の動向について
講演者:宮原 佳彦 氏 (独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター基礎技術研究部長

演題2米の生産コスト4割削減に向けて
講演者:坂田 尚史 氏 農林水産省生産局農産部穀物課課長補佐


平成25年度 新稲作研究会 講演会内容

日 時 :平成26年3月6日(木)10:15〜12:00
場 所 :メルパルク東京

演題1農研機構における技術開発の動向(土地利用型農業)−「攻めの農林水産業」に向けて−
講演者:寺島 一男 氏  (独)農業・食品産業技術総合研究機構理事中央農業総合研究センター所長

演題2米生産コストをめぐる現状と対応方向
講演者:清水 治弥 氏 農林水産省生産局農産部穀物課課長補佐


平成24年度 新稲作研究会 講演会内容

日 時 :平成25年3月7日(木)10:15〜12:00
場 所 :メルパルク東京

演題1福島県農業総合センターにおける震災後の主な取組みと今後の対応
講演者:佐々木 昭博 氏 福島県農業総合センター所長

演題2稲・麦・大豆の生産をめぐる状況について
講演者:石山 正美 氏 農林水産省生産局農産部穀物課課長補佐


平成23年度 新稲作研究会 40周年記念講演会内容

日 時 :平成24年2月23日(木)10:20〜12:20
場 所 :メルパルク東京

演題1農業技術から見た日本農業の方向−その過去と将来−
講演者:西尾 敏彦 氏 公益社団法人大日本農会農芸委員長

演題2わが国農業・農政のあり方を考える−水田農業を中心に−
講演者:生源寺 眞一 氏 名古屋大学大学院生命農学研究科教授


平成22年度 新稲作研究会 講演会内容(要約)

日 時 :平成23年2月24日(木)10:00〜17:00
場 所 :メルパルク東京

演題1:自給飼料の効率的生産・供給技術の開発
講演者:野中和久 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究センター 飼料調製給与研究チーム長
概 要
 耕畜連携の接点に当たる仕事をしている。
 「新たな食料・農業・農村基本計画」(平成22年3月)では、WCS用稲及び麦を、平成32年度に10万ha程度までに拡大する(現状のWCS用稲は、15,939ha)必要がある。また、飼料米については、単収を500kg/10aとすると14万ha程度までとする必要がある(現状は、14,833ha)。
 稲WCSの最適切断長は、3cm程度となる。1cmでは未消化子実が多くなり、5cmでは乾物摂取量が抑制されるためである。硝酸態窒素濃度が低いという利点がある。
 稲WCS中には、ビタミンE(α−トコフェロール)が多いので、牛肉の脂質酸化、肉質の褐色化を防止でき、高付加価値牛肉生産が可能である。また、予乾した稲WCSの給与によって血液中のビタミンA濃度を低減することができる。
 広域流通に伴って、ストックヤードの整備、保管及び輸送時の品質管理、生産履歴管理が必要となってくる。クレーム対応等を考えると、顔の見える取引が大事である。 
 飼料米について、玄米は、うま味成分といわれるオレイン酸が多い。畜種によっては、必須脂肪酸(リノール酸など)が不足するので副資材の添加が必要である。
 飼料用米の加工には、ガーデンシュレッダ、麦圧ぺん機、飼料用米破砕機(デリカ社)などが使用されている。
 飼料用米の牛への給与にからんで、多給によるアシドーシス(血液のpHが急に下がる、pH5以下だと危険である)が心配である。
 この点については、粉砕・挽割・圧ぺん処理を行った飼料米をそれぞれ乾物で40%配合した発酵TMRを乾乳牛に9kg(乾物)給与して試験を行ったが、ルーメン液のpHは給与後も低下せず、アシドーシスの危険性は低いという結果がある。
 牛への籾米最大可能給与量に関する農林水産省のプロジェクト試験の結果から、乳牛(秘乳中期〜後期)では、SGS及び破砕籾米給与の場合、TDN換算で濃厚飼料の30%の代替が可能、肉用牛(肥育全期間)では、蒸気圧ぺん及び粉砕籾米給与の場合、乾物換算で濃厚飼料の30%の代替が可能という結果がでている。
 飼料用米は、平成32年度には、単収を800kg/10aとすると87,500ha程度まで拡大する目標となっているが、濃厚飼料の30%まで配合量を増やせれば、299,025haまで拡大することが可能である。今後、戸別所得補償対策による政府支援とコスト削減の努力によって、流通価格が、kg当たり30数円に近づき、現実的な動きになることを期待したい。

演題2:農業者戸別所得補償制度について
講演者:堺田輝也 農林水産省生産局農業生産支援課地域対策官
概 要
 農林水産業が、国政の中心に位置づけられ、農業者が誇りを持って営農できるように、先般、食料・農業・農村基本計画を改定し、戸別所得補償対策、もうけを確保するための6次産業化、食の安全・安心の確保を施策の3つの柱としたところである。
 先ず、我が国の農業・農村の現状をみると、近年、農地の減少、農業所得の激減、農業従事者の減少・高齢化など危機的な状況にある。
 一方、世界の穀物需給動向をみると、中国、インドなど新興国の人口増加や食生活の改善、輸出規制の実施等により、世界の穀物価格は高騰している。
 このような状況下で、国内の食料自給率を50%に向上させることを目標としているが、そのための戦略として、例えば、小麦について2毛作の拡大による19万haの作付け増や1割弱の収量アップ、国産小麦や米粉を原料としたパンの製造・消費の増加などの対策推進を考えている。
 食料自給率が向上することによって、食料の安定供給のみならず、洪水防止機能等多面的機能の維持増進等の効果が発揮される。
 また、農業所得に占める政府からの直接支払額の割合をみると、EUが78%なのに対し、日本は23%と低い水準となっている。今後、透明性の高い農政を推進するためのも、戸別所得補償対策の実現が必要とされる。
 今後は、減反に係るペナルティを廃止し、戸別所得補償制度により米の需給調整の実効を期して、減反からつくる農政への大転換を図る。
 麦、大豆等の振興については、今までは、米の需給調整が前提であったが、これからは、減反に足を引っ張られずに本作化を実施したい。
 平成23年度の戸別所得補償制度では、前年の米戸別所得補償モデル事業の内容に加えて、畑作物の戸別所得補償交付金を制度化している。また、規模拡大加算を導入し、農業の構造改革に資するようにしているところである。
 最後に、新稲作研究会では、水田作のコスト削減、直播技術の確立、飼料稲や飼料米の生産、収穫技術の実証対応など、農政推進上の要となる技術の開発・普及を課題として取り上げれており、その成果の発信に大いに期待しているところである。


平成21年度 新稲作研究会 講演会(要約)

日 時 :平成22年3月2日(火)10:00〜17:00
場 所 :メルパルク東京

演題1:自給飼料の効率的生産・供給技術の開発
講演者:佐藤健次 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター イネ発酵TMR研究チーム長
概 要
 地域の農家の所得向上にいかに寄与するかが目的である。
 このためには、土−草−家畜の流れを再構築し、経営、地域経済を見直す必要がある。
 効率的生産のためには、先ず、汎用性の高い播種機の開発が必要である。稲・麦用の不耕起播種機を使うことがキーポイントとなるが、最近は、トウモロコシのために大豆用の不耕起播種機が使えないか検討している。
 なお、耕畜連携によるデントコーンサイレージの活用事例として、鹿児島県志布志市の農業生産法人(有)さかうえを挙げることができる。トウモロコシの不耕起播種を行い、売り上げは年々増えている。サイレージの再ロール化が特徴である。
 九州地域の飼料イネ作付面積は、現在4,156haで、全国一の生産基地となっている。
 また、汎用性の高い収穫機の開発が課題であるが、九州地域では、(1)九州沖縄農業研究センターとヤンマー、スター農機で共同開発したフレール型収穫機、(2)生研センターがヤンマー、タカキタと開発した汎用型飼料収穫機、(3)ケンパー社のフォーレージハーベスターとタカキタ(緊プロ機)
の細断型ロールベーラの3タイプで対応している。
 自給飼料の効率的供給に当たっては、エリアの広さに着目して、(1)小規模な供給(農家レベル);阿蘇地域の(有)やまうち農産山内代表が優良事例、牧草(イタリアンライグラス)と飼料イネ、(2)地域内の大規模な供給;熊本県御船町の飼料イネ供給、飼料イネ作付推進協議会が中核となり、水田営農を支える集落組織を活用して調整、(3)県域を超える供給;(有)錦江ファームが優良事例、熊本、大分の両県から飼料イネ、熊本、鹿児島両県からの食品残渣を調製、発酵TMRの生産、の3タイプに分類される。
 (有)錦江ファームのTMRでは、食品残渣として、焼酎粕濃縮液(タンパク質が多い)やイモ澱粉粕、大型スーパーマケットのパイナップル、中小豆ふ店から収集した豆ふ粕を利用している。
 TMRの今後の展開として、(1)母牛への給与(粗飼料型和牛繁殖牛用TMR、濃厚飼料型泌乳牛用TMR給与技術)、(2)子牛への給与(高栄養・粗飼料型子牛用TMRの給与技術)、(3)肥育牛への給与(高栄養型肥育牛用TMRの給与技術)技術の確立が求められている。
 TMRが地域に及ぼす効果としては、水田作農家にとって、耕作放棄の回避と所得確保。畜産農家にとって、自給飼料の安定的確保、酒造メーカーなど他産業にとって、焼酎粕濃縮液の販売、スーパーの食品残渣の有効利用が挙げられるが、食の安全・安心、健全な畜産、地域の所得確保が達成されるシステムの構築が最終的な目標となるべきであると考えている。

演題2:水田農業を巡る最近の動き
講演者:雨宮宏司 農林水産省生産局農業生産支援課長
概 要
 我が国の農業・農村は、近年、農業所得の激減、農業従事者の減少・高齢化など危機的な状況にある。
 一方、世界の穀物需給動向をみると、中国、インドなど新興国の人口増加や食生活の改善等により、今後もひっ迫基調で推移すると予測される。
 このような状況下で、国内の食料自給率向上が求められているが、食料自給率が向上することによって、食料の安定供給、関連産業の発展のみならず、洪水防止機能等多面的機能の維持増進、国民の健康の確保、フードマイレージ減少、バーチャルウォーター輸入量減少など環境面の便益向上等の効果が発揮される。
 我が国において、食料自給率の向上を図るためには、水田の有効活用が不可欠である。このため、水田における麦、大豆等の作付拡大を目指した「水田利活用自給力向上事業」を実施するのと併せて、「米戸別所得補償モデル事業」により、「水田農業の担い手」の経営を支えながら、主食用米以外の作物の増産を促進していくことが必要である。
 今後は、「水田利活用自給力向上事業」において、米の生産数量目標の達成にかかわらず麦・大豆等の生産を支援することで、従来全く需給調整に参加していなかった農家が、段階的に麦、大豆等を作付けすることが期待できる。
 また、「水田利活用自給力向上事業」の交付単価については、主食用米の所得水準と同じレベルとなるよう、全国統一単価を設定するなど、分かりやすい仕組みを作っている。
 米生産については、近年、労働費まで含めると、恒常的に赤字になっていることから、標準的な生産に要する費用と販売価格との差額(10a当たり1.5万円)を全国一律単価で交付することにより、意欲ある農家が農業を継続できる環境を整備した。
 新規需要米として米粉用米や飼料用米が含まれているが、米粉用米の生産は、平成20年度から、大手製パン会社等も取組始めたことから、作付面積は、平成20年の108haから平成21年の2,401haに拡大した。
 米粉用米の先進取組事例として、群馬製粉(株)、新潟製粉(株)及び熊本製粉(株)を中心とした取組が挙げることができる。
 また、飼料用米についても、平成20年の1,611haから平成21年の4,117haと2.5倍の増加となっている。

平成20年度 新稲作研究会 講演会(要約)

日 時 :平成21年3月3日(火)10:20〜12:00
場 所 :虎ノ門パストラル新館6階アジュール

演題1:2018年における世界の食料需給見通し −世界食料モデルによる予測結果−
講演者:古橋 元 農林水産省農林水産政策研究所 食料領域 主任研究官
概 要
 今回、従来の「世界食料需給モデル」を抜本的に見直した。
 目標年次は、2018年で、対象品目は、小麦、とうもろこし、米、大豆、牛肉等20品目である。
 世界の年間穀物消費量は、人口増加、所得水準向上等に伴い2018年までの12年間で5億トン増加し26億トンに達する見通し、このため、穀物価格は2006年以前に比べ高い水準で上昇傾向に推移し、2006年に比べ名目で34〜46%、実質で7〜17%上昇する見通しである。
 客観的にみても、バイオ燃料原料農産物需要増大の影響は大きいと考えられる。
 品目別にみると、小麦は、北米、オセアニア、欧州で純輸出量が増大し、特に、アフリカや中東で純輸入量が増加すると予測される。
 とうもろこしでは、中南米で純輸出量が増加する一方、北米の純輸出量は減少する。大豆では、アジアや欧州で純輸入量が増加する一方、中南米で純輸出量が大きく拡大する。
 米では、生産及び消費の大半を占めるアジアの純輸出量は微減し、北米での純輸出量の拡大、アフリカでの純輸入量の拡大が予想される。
 世界需給モデルは、OECD、FAO、アメリカ合衆国農務省が公表してきたが、日本のような輸入国の立場を反映したところはなかった。その点からも、意味のある予想と考えられる。

演題2:水田の有効利用等について
講演者:雨宮 宏司 農林水産省生産局農業生産支援課長
概 要
 国際的な穀物需給のひっ迫等に対応し、国産農産物の安定供給体制を確立するため、水田等を有効利用して自給力・自給率向上に結びつく作物の需要に応じた生産拡大を推進している。
 平成21年度では、大豆、麦、飼料作物、米粉・飼料用米という自給力・自給率向上戦略作物を転作拡大、調整水田への作付けなどにより、新たに作付拡大した場合、拡大面積に対して助成金を交付する。予算額としては、404億円を計上している。
 国産小麦は、主に日本めんの原料として用いられているが、最近はパンの原料としても使用され始めている。春よ恋は、パン用として開発された品種(北海道、春まき)であるが、需要が定着したと考える。
 国産大豆は実需者から味の良さ、安心感等が評価され、豆腐、煮豆、納豆等食品向けに使われている。
 大豆生産対策としては、大豆300A技術等の普及に努めている。具体的には、不耕起播種技術、浅耕播種技術、耕うん同時畝立て播種技術等である。
 国産飼料の生産・利用拡大のため、稲発酵粗飼料、飼料用米、水田放牧の取組み拡大、コントラクターやTMRセンターの育成、エコフェード等未利用資源の利用推進を図っている。粗飼料の自給率を80%から100%に上げるという目標を掲げて、諸対策を推進している。
 米粉については、生産者への支援のみならず、生産者団体や集荷・流通業者が整備する機械・施設に関しても支援対策を講じている。
 飼料用米として多収米品種が多く開発され、これら品種は、おおむね700〜800kgの単収が期待されている。コンタミ防止の観点からも生産の団地化が必要である。また、食用米と飼料用米との組み合わせで栽培期間の延長、利用機械稼働率向上による生産費用の低減を行うことが重要である。