• イントロダクション
  • 美味しく食べられる甘藷若葉「すいおう」
  • 開発の契機
ハートの形をしたかわいらしい葉をつける「すいおう」、親しみのもてる野菜です。「すいおう」の原型とも言える甘藷若葉は、ポリフェノール(カフェ酸誘導体)や、ルテイン、ビタミン類、ミネラル類など日本人が日頃から摂取している成分を豊富に含んでいます。しかし、そのえぐ味や青臭さからか、日本では日常の食材として顧みられることはありませんでした。「すいおう」は、甘藷若葉の長所をさらに引き出し、食味における短所を補うものとして、九州沖縄農業研究センターで開発されたこれまでに無かった野菜です。ぜひ、私たちの日々の暮らしに新しい力を与えてくれる「すいおう」の魅力に触れてください。
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美味しく食べられる甘藷「すいおう」
「すいおう」(平成16年8月18日種苗登録 第12184号)は、強いえぐ味と青臭さのため、これまで敬遠されがちだった甘藷(サツマイモ)の葉・茎・葉柄をおいしく食べられるように開発された品種です。日本人に不足しがちな、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維が豊富で、夏場の葉野菜として食べたり、青汁として飲むこともできます。また、さまざまな生理活性をもつと言われているポリフェノールの一種カフェ酸誘導体やカロテノイドの一種ルテインが含まれています。学会等では、「すいおう」およびその成分に、血糖値改善をはじめ、さまざまな機能性があるとして関心が高まっています。
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開発の契機
甘藷とは、サツマイモを意味し、甘藷若葉とはサツマイモの葉・茎・葉柄の部分を指します。甘藷の茎葉は、たんぱく質・ビタミン類・ミネラル類・食物繊維が豊富で、野菜としても捨てたものではありません。実際、韓国や東南アジア諸国では栄養価の高い野菜として扱われています。しかし、日本ではまだ馴染みの薄い存在です。なぜなら、甘藷若葉はこれまで健康に良いと言われていながらも、そのえぐ味の強さや青臭さのために敬遠されていたからです。そこで、九州沖縄農業研究センターが茎葉部の食味を重視して7年間を費やして研究を進めた結果、選び抜かれた 優等生品種「すいおう」が生まれました。葉が大きく翠(みどり)色で、その翠色が濃厚なことから「すいおう(翠王)」と名付けられました。乾燥条件でも生育が良く、栽培に必要な水分は雨のみから補います。甘藷の根は広く張り、土の中の水分や養分を取る力が強いため、水分は自然のものだけで充分なのです。雨が降り、適度な水分が与えられるとその葉は美しい翠色を増すと農家の方は言います。
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「すいおう」研究者からのメッセージ
(元)九州沖縄農業研究センター
須田郁夫チーム長(農学博士)
日本人の食事は、脂質・食塩の摂取過多、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維の摂取不足というアンバランスな栄養状態が続いており、メタボリックシンドロームの言葉に代表されるように多数の国民にイエローカードが出されています。ここに紹介する「すいおう」はそんな日本人に不足しがちなこれら栄養成分を含むのみならず、今日の超高齢社会を作っている高齢者の方々が山の幸、旬の幸としてよく摂取していたポリフェノール類も多く含んでいます。「すいおう」に含まれる機能性成分がメタボ改善に役立つとの報告も次々と発表されています。健康な身体作りのために「すいおう」を上手に賢く食べませんか。
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